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HUMAN
STORIES

想いと品質、
日本らしさを
突き詰めて

北麓草水/松山油脂株式会社 代表取締役社長 松山剛己

北麓草水

KITTE 4F

日本古来の野草の力が
日本人の美しさを引き出す

「北の麓の草の水」。その名の通り、「北麓草水」のスキンケアアイテムは、富士山の北麓、山梨県富士河口湖町の国立公園地域内にある自社工場で作られている。運営会社である松山油脂の所在地は、古くから石けんの町とも呼ばれる東京都墨田区。その墨田工場が手狭になり、新たな土地として選んだのが、遠く120kmも離れた大自然の中だった。

「規模を追い求めるなら工業団地のほうが効率がいい。でも、自分が住みたいと思えないと、社員に働きに行ってくれと言えないですから」と、松山油脂の社長・松山剛己さんは話す。それが英断だったことは、工場ですれ違う社員たちの気持ちのいい挨拶が物語っていた。自然の小さな変化も見逃さないブログ「北麓の日々」の記事からも、富士北麓の暮らしを楽しんでいる様子が伝わってくる。

「この自然の中にいたら、みんなそうなりますよ」と松山さん。自身もこの土壌に合う日本古来の植物を育てたいと思い、強くたくましい野草の美しさに惹かれていった。その想いが「北麓草水」の原点だ。そして、2009年から野草や有用植物の研究を重ね、3年後、ようやく形になる。

「基本的に植物は1年に1度しか植えられないので、研究には時間がかかりました。それでも、日本独自のものを作りたかったんです。当時はリーマンショックがあり、東日本大震災もあり、日本が自信をなくしていて、みんな下を向いていた。だから、日本って結構いいんだよと、世界に向けて発信したいという想いもありました」  その頃、グループ会社の「MARKS&WEB」はすでに自然派化粧品で全国的な人気を集めていた。だが、「北麓草水」はそれとは違う必要があったのだ。

「『MARKS&WEB』の時は海外のハーブ文化への憧れのようなものがあって、パッケージも外国風。でも『北麓草水』は日本らしさにとことんこだわりました。特に香り。日本の香りというと、ヒノキや柚子、山椒などですよね。その枝葉や果実から抽出された精油で香りをつけているんです」

こうして生まれたアイテムは、慣れ親しんだ香りとともに、日本人の肌と心にすーっと馴染む。

1. 富士河口湖工場に隣接するファクトリーショップ。「北麓草水」のほか、「MARKS&WEB」や松山油脂初の自社ブランド「Mマークシリーズ」のアイテムも揃う。
2. ヨモギやアマチャヅル、ショウガなど、原料となる野草。乾燥させた野草の成分を富士山の伏流水に取り込む。
3. 一つひとつ手作業で充填。機械は補助役。
4. 戦後間もなくから石けんを作り続けている松山油脂の誇りが、小さな円柱に詰め込まれている。

北麓草水HOKUROKU SOUSUI

4F SHOP PAGE

SIDE STORY

使う人の気持ちに本当に寄り添った商品を
作るために、
作り手が想いをひとつにする

「北麓草水」が大切にしているものは、素材と製法、そして作り手の想い。「いい素材を使ってもそれを活かせる製法でなければダメだし、作り手のエゴではなく、使う人の気持ちに寄り添えているかも大事」と社長の松山剛己さんは話す。そのため、「北麓草水」のスタッフは2,000円を握りしめ、スキンケア商品の売り場に出向くのだそう。そこに立ったとき、自分だったらどれを選ぶのか? 研究者も製造スタッフも、実際に使う人の気持ちを体験することで、みんなが“北麓草水の想い”に立ち返ることができる。効果だけではなく、使う人が心地よく使えて、キレイになれると信じられること。それがキレイへの近道だと「北麓草水」の香りが教えてくれるようだ。

1. 富士河口湖工場の前にて。周囲は松の林で、清々しい空気が流れる。
2. 木を基調としたファクトリーショップは周囲の自然に溶け込んでいる。
3. 昔ながらの製法で時間と手間をかけて作られる石けん。最後は人の目で検品される。
4. 乳液やクリームなどに使われる水性と油性の原料を混ぜるための真空乳化釜。厳密な衛生管理が徹底された製造室で行われる。
5. 富士山の伏流水に野草の有用成分をたっぷり取り込んだ「浸草水」が商品の原料になる。
6. ボディケア用のウオッシングソープバー。檜、葡萄、柚子の3種類の香りがある。
7. 古くから薬用にも利用されてきたヨモギは研究農園で栽培。
8. 松山油脂「Mマークシリーズ」は25年以上のロングセラー。
9. 甘茶蔓(アマチャヅル)浸草水が肌をなめらかに整えるハンドソープ。