STORIES
鶏白湯スープが導く
新しいおでんとの出会い
名古屋コーチン鶏おでん
清水
KITTE B1
KITTE1Fからエスカレーターを下っていくと目の前に現れる、外観の木格子が印象的な「名古屋コーチン鶏おでん 清水」。ビルの中にありながら、まるで路面店のような佇まいで、扉を開ければ、違う世界に入り込んだように落ち着いた空間が広がる。こぢんまりした店内には、カウンターと二人掛けのテーブルが並び、おひとり様でも入りやすい。「昔ながらの京町家の雰囲気をできるだけ再現しました」と教えてくれたのは、店長の谷城利幸さん。
「お仕事帰りに軽く一杯、ふらっと立ち寄って、しばし都会の喧騒を忘れてもらえたらと思います」
忙しく働く現代人の心と体に、「鶏おでん 清水」の鶏白湯スープで炊いたおでんはさぞや染み渡るだろう。一般的な昆布やカツオ出汁のおでんと違い、白濁したスープが最大の特徴だ。
「日本三大地鶏の一つである名古屋コーチンを使ったスープは、まろやかでコクがあり、旨みが強いんです。そのスープで鳥串や新鮮な野菜を長時間煮込み仕上げています」
鶏白湯スープを作るだけで毎日5時間。そこからおでん種を煮込むのだが、具材ごとに最適な煮込み時間が違うので、最もおいしい状態で提供するために気も遣う。
「出汁をしっかり味わっていただきたいので、おでん種は素材のおいしさを引き出すことを大切にしています。具材に染み込んだ鶏出汁と一緒に楽しんでもらいたいです」
大根や卵、練り物といった定番のおでん種はもちろん、焼き鳥のように串に差した鶏をおでんにした「鶏串おでん」、ピーマンやカイワレ大根などの変わり種も豊富だ。
「鶏白湯おでんは、運営会社であるNewthの取締役であり、長年鶏料理を中心にお店を展開している清水の、『昔ながらのおでんを鶏料理にしたらどうなるか?』というアイデアから始まりました。清水と相談しながら、今までにないものを考え、味わいだけでなく、見た目の美しさにもこだわってメニューを開発しています」
「カプレーゼトマト」や「名古屋コーチン アボカドチーズ」など、洋風のおでんメニューは未知の体験だ。日本料理の経験が活かされた美しいビジュアルにまず驚き、口に入れて味わいのバランスにまた驚く。鶏出汁だからこそ、同じくコクや旨みのある素材と組み合わせても負けていないのだ。25年以上、和食一筋という谷城さんが、伝統的な和食であるおでんで、新たなおいしさを発見させてくれるというのも面白い。
「小さいお店なのでお客様との距離が非常に近いのも、自分にとっては面白さです。これからも謙虚と感謝の気持ちを忘れずに、『本当においしい』と思っていただけるものを提供し続けます」
後を引く旨みと居心地の良さに、
軽くのつもりが… なんてことも!?



SIDE STORY
鶏を知り尽くした名手による
鶏おでんは
定番から変化球まで
楽しい!
「名古屋コーチン鶏おでん 清水」は、「鶏料理清水」など数々の鶏料理店を手掛けてきた清水 明氏が新たに手掛けたお店。鶏を知り尽くしているからこその味わいはもちろん、希少な名古屋コーチンの卵や貴重な銘柄の日本酒などが揃うのも、これまでに培ってきた実績や信頼があってこそだろう。独創的なおでん種も「清水」ならでは。KITTE店店長の谷城さんは、「ほかで見たことのないメニューなど、新しいことにチャレンジするのは楽しい」と話す。「店長に任命されたのも、以前、チャンスがあれば何でもください! とお願いしていたので、うれしかったですね。私はチャレンジが次のチャンスにつながると思っていて、責任も感じますが、任せてもらえることにやりがいも感じています」。そもそも運営会社のNewthは、新しい(New)ことを、徹底的(thoroughly)に追求するという意味が込められた造語で、どんどん新しいことに挑戦する社風があるのだそう。今はまだ予定はないと言うが、いずれ季節限定などの新たなメニュー開発も進めたいと谷城さん。そのときにはまた、五感が喜ぶ新鮮な驚きを提供してくれるはずだ。





