KITTE STORIES|KITTE丸の内 | JR・丸ノ内線 東京駅に直結したショッピングセンター

STORIES

変わらない
おいしさのために
変え続ける

治一郎

KITTE 1F

しっとりとしていて、飲み物がなくてもおいしく食べられるバウムクーヘン。言葉だけではピンと来ないかもしれないが、初めて「治一郎」のバウムクーヘンを食べた人は、驚きをもって大きく頷くことになる。

「多くのお客さまが、ひと口食べた瞬間、『想像以上においしい』と感動してくださいます」と話すのは、「治一郎」KITTE丸の内店の中里千沙登店長。

「当店のバウムクーヘンは、卵黄と卵白を分けて泡立て、時間をかけてじっくり、ゆっくりと層を焼き重ねているんです。しかも、焼いている間は、焼き色が付きすぎないよう、職人がずっと張り付いて焼き加減を見ています」

手間と時間を惜しまず、丁寧に作っているからこそ、衝撃的なしっとり感を実現できるのだ。

「職人が何度も試行錯誤を繰り返して、ようやくたどり着いた手法です。その職人の名前が、『治一郎』さん。職人への敬意を込めて、ブランド名にしたそうです」

職人の意地とプライドから生まれた唯一無二のバウムクーヘンは、確固たる人気を確立した。しかし、実は数年に一度、配合などを見直し、進化し続けていると言う

「変わらないおいしさをお届けするために、変え続けているんです。『治一郎』においては、現状維持はマイナス。たとえ失敗したとしても、新しいことをしたのならプラスなんです。“良い悪い”がわかっただけでもプラスなんだから、新しいことをしていこうという気風がブランドの根底に流れています。そのため、KITTE店では『治一郎』としては初めてのバー業態に挑戦することにしました。季節に合わせた華やかなスイーツとお酒のペアリングをお楽しみいただけます」

日本屈指のビジネス街である丸の内で働く人々が、「今日はがんばったから」と自分へのご褒美にスイーツとお酒を楽しむ。そういう場があると思えるだけで、一日を前向きに過ごせるかもしれない。

「KITTE店のコンセプトは『タイムレス』です。旧東京中央郵便局舎がKITTEへと受け継がれたように、過去・現在・未来と時代の移り変わりとともに姿を変えながら歴史を継承していくイメージと、『幸せを重ねる』という『治一郎』ブランドの想いを込めています。コンセプトを表現するマテリアルとして、内装に『ボグオーク』という沼底に何千年も沈んで炭化した希少なオーク材を使用しました。時代を超えた普遍的な美しさのなかで、丁寧なものづくりを発信していきたいと思っています」

悠久のときを感じながら、いつの時代も老若男女に愛される〝タイムレスなおいしさ〟を味わえば、時間が経つのも忘れてしまいそうだ。

おいしさは間違いないから、
“人”でも愛されるお店に

「“丸の内のカフェに行きたい”ではなく、“KITTEの『治一郎』に行きたい”と思われるお店にしたい」と言う中里さん(左上)。「商品のおいしさに加え、『治一郎』と言ったら販売スタッフを思い浮かべてもらえるくらい、おもてなしと居心地の良い空間づくりを心がけていきます」
「“丸の内のカフェに行きたい”ではなく、“KITTEの『治一郎』に行きたい”と思われるお店にしたい」と言う中里さん。「商品のおいしさに加え、『治一郎』と言ったら販売スタッフを思い浮かべてもらえるくらい、おもてなしと居心地の良い空間づくりを心がけていきます」

治一郎jiichiro

1F SHOP PAGE

SIDE STORY

常により良いものを探求する、
「治一郎」のおいしさは一期一会

「『治一郎』KITTE店でカフェ&バーという新しい業態に挑戦することで、これまでにない感動を生み出していきたい」と言う中里さん。実は「治一郎」が手掛けるカフェは、すべての店舗でメニューが違う。それどころか、全国に展開するショップもすべて内装デザインが異なるのだ。「ひと目でわかってもらえるように、内装デザインは共通にするのが一般的だと思うのですが、『治一郎』では各店舗にお越しいただくお客さまや、そこで働くスタッフたちに愛着や親しみを持ってもらいたいという想いからあえて変えています」。「現状維持はマイナス」という「治一郎」の気風は、店舗デザインにも貫かれているようだ。そして、その気風は限定商品にも色濃く感じられる。「期間や季節限定の商品は、企画担当が表現したいものをテーマに選ぶことが多く、レギュラー商品よりも少し遊びの要素が強くなっています。限定だからできる、手間をかけた商品も多いです」と中里さん。限定を楽しみに足を運ぶお客さまも多く、「去年のアレ、今年は出ないの?」という季節限定への問い合わせも多いと言う。しかし、いくら人気の高かった商品でも、全く同じものを次の年も作ることはないのだそう。商品にも空間にも人にも宿る、「常により良いものを――」の精神。「治一郎」にとっては、それらすべてがおいしさを形作る要素なのだ。そのとき、その場所でしか出会えない“おいしい体験”をぜひ味わって!

ボグオークの黒とレンガの赤が印象的な店内は、シックで上品な雰囲気。手前は物販エリア、奥が飲食スペースになっている。
「治一郎」のロゴがインパクト大の「治一郎のプリン」も、人気の定番アイテム。濃厚でクリーミーな味わいが、子どもも大人も夢中にさせる。
クリームをたっぷり包んだ「治一郎のロールケーキ」。生地はもちろん、「治一郎のバウムクーヘン」同様、しっとりふわふわ。
KITTE店限定の「フルーツケーキ」は、独自配合のスパイスやお酒にじっくり漬け込んだフルーツをふんだんに使用した、芳醇で贅沢な大人の味わい。
バータイムスイーツの「柚子とプラリネのアシェット」と、ペアリングドリンクの「ラヴニール」。「ラヴニール」はウォッカをベースに、ストロベリーリキュールや八朔・シークワーサー酢などを組み合わせ。ノンアルコールもあるカクテルは、珍しい材料が多く使われ、見た目にも楽しめる。
飲食スペースのカウンターはライブキッチンになっており、芸術作品のようなスイーツができあがっていく様子を眺めることができる。