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個性的なスーツケースが
旅に出る
理由になれたら。
DELSEY PARIS
KITTE 1F2023年4月に世界初のコンセプトストア「デルセーラボ」を東京・原宿にオープン、10月に国内2号店となる直営店をKITTEにオープンした「デルセー」。スーツケース市場の世界シェア3位を誇る、フランス発の老舗ラゲージブランドが、いよいよ本格的に日本進出を果たした。「デルセー」とはどういうブランドなのか、本国フランスでチーフデザイナーを務めるアルベール・エングラーさんに聞いた。
「フランス発のブランドとして、デザインの美しさとエレガンスが『デルセー』の芯になっています。その上で、常にお客様のニーズに重点を置き、社会の変化に合わせて最適な製品を提供してきました。それによる多様なスタイルとカラーが特長です。オフィスで新しい1日を始めるときから世界を探検するときまで、スタイリッシュに荷物を持ち運べるバッグを見つけることができます」
1970年代、飛行機による旅行が普及すると、耐久性のある硬質シェルを使用したスーツケースを生み出し、開閉式の車輪をつけたトロリーシステムを発明した。以降も、モビリティの進化や旅行のトレンドに合わせて、革新的な製品を生み出している。その多彩なラインナップは、KITTE店を訪れれば一目瞭然だ。
「商品からもわかるように、個性を尊重するブランドなんです」と話すのは、ショップマネージャーの小高和也さん。元々着物業界で働いていた彼は、伝統を重んじるばかりに、型にハマりがちな世界に窮屈さを感じていたという。そんなとき「デルセー」の自由さに出会い、転職した。
「『デルセー』が型破りで個性のある人を求めていると知り、面白そうと思いました。日本では子どものころから協調性を求められがちですが、『デルセー』では個性を認められて『君のキャラは?』と言われるんです。だから気を遣わずに発言できるし、いろんな意見も受け入れてもらえます。実際、店舗スタッフのアイデアが商品になることもあるんです」
眺めているだけでもワクワクするアイテムたち。旅行に行くからスーツケースを買うのではなく、欲しいスーツケースがあるから旅に出よう! そんな考え方があってもいいと、「デルセー」は思わせてくれる。
DELSEY PARISデルセー パリ
1F SHOP PAGESIDE STORY
ユーザーのニーズに重点を置いているからこそ、
デザインもカラーも多彩になる。
「デルセー」の創業は1946年。長い歴史を誇り、ヨーロッパでは最も売れているラゲージブランドといわれる。だが、その現状に満足することなく、常に未来のためのアイテムを生み出し続けているからこそ、ラインナップの振り幅が広い。それを象徴するようなエピソードを、ショップマネージャーの小高さんが教えてくれた。「アジア代表である香港の『デルセーアジアリミテッド』の社長に自分のアイデアを伝えたら、『OK! すぐ作るよ』って(笑)。実際、商品化に向けて動いています。日本の一般的な組織だったら、まず直属の上司を通し、その上に承認をもらってと長い道のりになりそうですが、すごくストレートで驚きました」。しかし、スタッフの個性が「デルセー」の個性的なデザインを作っているのではないと、本国のアルベールさんは言う。「デザインの多彩さは、デザイナーによるのではなく、私たちがつながりたいと思うユーザーの多彩さによるものなんです」。小高さんのアイデアも、売り場でユーザーに接しているからこそ生まれたものなのかもしれない。「デルセー」の視点は、どこまでもユーザーと同じところにある。