HUMAN
STORIES
人にも地球にも
良いものが
受け入れられる
時代が訪れる
PRISTINE ブランドディレクター 奥森 秀子
PRISTINE gathering
KITTE 2Fオーガニックコットンブランド「プリスティン」が誕生したのは、1996年。奥森秀子さんが運営会社のアバンティに入社したのはその前年のことだった。
「初めてオーガニックコットンに出合ったのは、約30年前、百貨店の研究所で働いていたときでした。当時は肌に優しいという機能性が注目されていて、デザイン性はなかった。すばらしいものだけど、ワクワクして着るものではないなと思いました」
奥森さんは「人にとっても地球にとっても良いものなのに売れない原因はデザイン性だとわかっていたので、それを解決すれば、受け入れられる時代が来るだろうと。可能性を秘めた素材だと感じました」と続ける。オーガニックコットンの輸入をしていたアバンティも同様の考えだったのだろう。ブランド立ち上げにあたり、奥森さんに声がかかる。
「相当な覚悟が必要だと思い、約1年、お返事を待ってもらいました」
当時のアバンティは社員3名。大手百貨店でコーディネーターとして活躍していた奥森さんにとっては、大きな決断だった。背中を押したのは「良いものは絶対に受け入れられる。それしかなかった」と言う。そして、奥森さんの挑戦が始まった。
「今でこそ、持続可能という単語を聞かない日はないですが、当時は変わりもの扱い。地球に良いと言っても、『何それ?』っていう時代でしたから。協力工場に一から説明し、『長生きしてください。そしたら恩返しできる』とお願いして回りました。しかも、私たちは少量しか発注できない上、直射日光を浴びせないなど製造工程での注文が多い。利益の追求だけでは受けてくださらなかったと思いますね。当時、私たちの想いに心を動かしてくださったところと今も一緒に作り続けています」
ようやく時代が追い付いたように感じるが、「複雑な気持ちもある」と奥森さんは話す。
「地球が健やかだったら、オーガニックコットンは今ほど受け入れられていないかもしれない。だから、私たちはもっと棲みやすい地球にするために、今は残布・残糸ゼロを目指すプロジェクトや、国内での綿花栽培プロジェクトなども進めています」
奥森さんの挑戦に終わりはない。
PRISTINE gatheringプリスティン ギャザリング
2F SHOP PAGESIDE STORY
オーガニックコットンが紡ぐ
人と人の輪と"しあわせの循環"
「いつ、どこで、誰が」作ったのかを管理し、オフィシャルサイトでアイテムができるまでを紹介している「プリスティン」は、「顔の見えるものづくり」にこだわっている。その想いはKITTE店の店名「PRISTINE gathering」にも通じており、「人と人がつながる『場』を作りたかった」と奥森さんは話す。「コンセプトは『あつまる。つながる。しる。わらう。』。東京駅という立地も活かし、私たちを地方で支えてくれる作り手や職人、アーティストの方々とお客様が集まり、つながることで、笑顔があふれる場所にしたいんです」。そのため、ワークショップやお話し会などのイベントを開催したり、「プリスティン」が勧めるエシカルブランドや暮らしの道具展などを展開したりするという。さらに、マルシェも開催予定だとか! 有機栽培であれば綿と同じ畑で育った野菜も安心して食べられる――「プリスティン」が考える“衣食同源”に、KITTEで触れてみては?