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新鮮な北の味覚に
ワクワクを添えて
回転寿司 根室花まる
KITTE 5F北海道の東に突き出た半島、日本本土の最東端に位置する根室。北はオホーツク海、南は太平洋に面し、両方の海から獲れる多種多様な魚介類に恵まれた地域であり、「回転寿司 根室花まる」の原点だ。まだ根室に家族で楽しめる外食の場がなかったという1990年代、「地元の人たちに喜んでもらいたい」という純粋な想いから、社長が未経験ながら創業したのだと言う。
「だからこそ、店舗が増えた今でも根室の素材を主力とすることにこだわっています」と教えてくれたのは、根室店店長の小原敦さんだ。
「花咲がにや鮭、氷下魚 、三平汁などのメニューは、根室生まれ根室育ちの社長が子どもの頃から家庭でよく食べていた根室の味なんです」
回転寿司“本来の姿”を守っていることも、創業時の想いの表れだ。
「『花まる』は、今でもレーンに寿司を流すことにこだわっています。見る楽しさや選ぶ楽しさ、ワクワクする気持ちを味わってほしいんです」
坊主銀宝 、こまい子醤油漬け、とろにしん……ほかではお目にかかれないネタが流れてくるのだから、ワクワクも倍増だ。おなじみの筋子も、よく見るものとどこか違う。
「自家製で漬けた紅鮭の筋子です。一般的な筋子より小粒ながらプチプチとした食感が楽しめ、旨みと甘みが強く、寿司に合うように仕込んでいます。ほかにも網走産のとろにしんなど、ネタは時期ごとに最もおいしい産地から仕入れているんです」
根室ならではの素材が主力というオリジナリティはありつつ、寿司はシンプルな“王道”で勝負するからこそ、ネタにはとことんこだわる。
「鮮度にも気を遣い、ネタ切りから保管まで、温度管理を徹底しています。根室港や花咲港で仕入れた素材は系列の加工工場ですぐに捌き、鮮度を保つことも『花まる』だからこそできること。イカやサーモン、マグロなど、ポピュラーなネタは特に丁寧に下処理して、ひと手間かけることで、最もおいしい状態で提供できるようにしています」
おいしさは前提条件。それでこそ、回転寿司本来の姿を楽しめる。今やその魅力は根室も北海道も飛び出し、東京で行列を作っている。
回転寿司 根室花まるKaiten-sushi Nemuro Hanamaru
5F SHOP PAGESIDE STORY
東京の行列だけじゃない。
地元の人々にも愛されていることが名店の証
朝6時の花咲港。岸壁には幾隻もの漁船が並び、イワシの水揚げが行われていた。「根室はオホーツク海と太平洋の二つの海に面する、全国的にも珍しい漁業の一大産地です」と教えてくれたのは、「花まる」の系列会社・福原商店で仕入れと加工を請け負う塩谷宗一郎さん。獲れた魚、貝、海老、かになどは、根室港・歯舞(はぼまい)港・落石港・花咲港の4つの漁港へ毎日のように水揚げされ、セリにかけられる。塩谷さんたちが仕入れた魚は「花まる」専用に仕立てられ各店舗へ。この産地直送ならではの新鮮さが、札幌や東京の店舗で人気を集めるのは頷ける。だが「花まる」がすごいのは、地元の根室本店でも行列ができること。塩谷さんも、市場で「昨日行ったら、坊主銀宝売り切れてた」と声をかけられ気まずかったと笑う。地元の人に喜んでもらいたい――創業時の想いは実っていた。