HUMAN
STORIES
最高の
ホスピタリティーで
極上の
料理をよりおいしく
Sumiyaki Sushidokoro Kushiro
KITTE 6F北海道釧路市が発祥といわれる炉端焼きや、職人が丹精込めて握るお寿司など、北の幸を存分に楽しめる「くし路」。青森県出身という店長の長岡清吾さんは、東北訛りが素朴で穏やかな印象を与える。その人柄は接客の姿勢にも現れているようだ。
「目指しているのは“サービス”ではなく、“ホスピタリティー”。子どもから若い世代、高齢の方まで、お客様に合わせて対応の仕方を変えるようにしています。また、KITTEという場所柄、平日はオフィスワーカーの接待に使われることが多く、土日は観光でいらっしゃる方が多い。訪れた目的の違いでも、接客の仕方を変えています。『くし路』での食事で、接待も旅行も良し悪しが決まると思うと責任重大です。一人ひとりにどう気持ちよく帰っていただくか。それを常に考えています」
「飲食店がひしめき合う丸の内で、数あるお店の中から『くし路』を選んでいただいたのだから、最高のおもてなしをしたい」と長岡さん。料理のおいしさだけでは、おもてなしは完成しないと考えているそう。
「炭焼きのメニューはできたての最もおいしい状態で提供するために、オーダーが入ってから焼くので時間がかかるものが多い。でも、実際に食べていただければ、待つ価値があると思っていただける。食にこだわりを持った職人がいるからこそ、料理には自信を持っています。あとは、接客でどう料理を演出するか。時間がかかることのフォローも、接客の仕事。ただオーダーを取るだけ、運ぶだけでは、僕としては物足りないんです。接客というスパイスをかけることで、料理をより楽しんでいただきたいと思っています」
もともと実家がラーメン店を営んでいたという長岡さんは、料理を運ぶなど、お店を手伝うこともあったそう。上京してからも、さまざまな業態の飲食店で長年、接客の仕事を続けてきた。
長く携わってきた飲食業の面白さを、 長岡さんは「お金を頂戴しているのに、『ありがとう』と言っていただけること」と笑顔で話す。その「ありがとう」のひと言がうれしくて、今日も極上の料理と最高のホスピタリティーを用意しているのだろう。



SIDE STORY
大切な思い出の1ページに
料理の感動と心遣いを添える
個室が多く、落ち着いた雰囲気の「くし路」は、接待やご両家の顔合わせなどで利用するお客様も多いという。そういう時は、「アシストはするけれども、邪魔はしない」というのが、長岡清吾さんのポリシー。その気遣いが、常連さんとの関係性も築いているようだ。「ご夫婦で来られるような常連のお客様に、平日だとどうしても僕が満足のいく接客ができませんと正直に言ったことがあるんです。そうしたら、長岡さんが言うなら極力、土日にしようと言ってくださって。感謝しかないですね」。窓側の席は東京駅を臨む眺望で、寿司から炭焼きまで北の幸を味わい尽くせる。そこに長岡さんのおもてなしを添えれば、「くし路」でのひとときは、舌と目と心の記憶に残る、大切な時間になるはずだ。





