HUMAN
STORIES
デニム=窮屈という
概念を覆す
こだわりのデニム
カイタックインターナショナル 執行役員 秋山尚之
YANUK
KITTE 2F岡山県の自社工場で一貫製造
だからこそのクオリティー
壁一面の棚にずらりとデニムが並ぶ「YANUK」。デニム専門店というとクラフト感の内装イメージが強いが、白を基調としたスタイリッシュな空間になっている。
「僕らが目指すイメージは、上品で健康的で清潔感のあるデニム。サロンのような空間で、骨格診断の勉強をした店員が、40種類以上の中からお客様の骨格や体型に合うデニムを提案しています」
そう語るのは、「YANUK」を運営するカイタックインターナショナルの執行役員、秋山尚之さん。
「もともと2000年代初頭にプレミアムデニムが爆発的に流行し、当社がその先駆けであるLA発のブランド『セブン・フォー・オール・マンカインド』と『YANUK』の輸入代理店になったのが始まり。でも、日本のブームは数年で下火になりました。海外と日本ではトレンドが違うし、体型も違うから穿き心地も違う。それなら日本人が作ったほうがいいだろうと、07年に『YANUK』の商標権を獲得したんです」
しかし、ことはそう簡単には運ばなかった。試行錯誤すること5年、リブランディングした12年に転機が訪れる。「デニム=窮屈という概念を覆す、やわらかい穿き心地。でも、見た目は綿100%の硬そうなデニムに見える。それをとことん追求した」と秋山さんは話す。その際、入社から10年近く工場勤務だった秋山さんの経験も生かされた。
「当時の工場メンバーと協力して腰回りのフィット感を研究し、今やロングセラーのスキニー『パトリシア』を開発しました。一般的には考えられない型紙を用いて、縫い方も特殊な技法を採用しているんです。岡山県の自社工場で一貫して製造しているからこそ、実現できたことだと思います」
それだけ自信があるから、デニム専門店にこだわる。
「デニムは、ワードローブに一本は必要なスタンダードです。でも、百貨店やセレクトショップで売り場が減っているのも事実。2、3種類しか置いていないものを試着して、自分には似合わないから諦めるという"デニム難民"はたくさんいる。そういう方たちでも、『YANUK』なら似合う一本が必ず見つかります」
YANUKヤヌーク
2F SHOP PAGESIDE STORY
「YANUK」のデニムは、穿くと誰もが感動する。
自社工場が一丸となって叶えたサプライズ
「YANUK」の特徴である、ソフトな穿き心地と硬そうなデニムに見える加工感。相反する要素の両立に、技術が詰まっていると秋山さんは言う。「やわらかそうな見た目のデニムは、どうしてもチープに見える。だから普通は、硬くて窮屈だけど我慢して穿くか、見た目を妥協して穿き心地をとるかのどちらか。でも『YANUK』のデニムは、我慢も妥協もしなくていいからサプライズなんです」。それを実現できるのは、ストレッチデニムを綿100%に見せる高い加工技術。分業制が多い業界で、縫製からアイロンまで、すべてがひとつ屋根の下にある自社工場だからこそなせる技なのだろう。今も工場が日々努力しているという「YANUK」の次のサプライズが楽しみだ。