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〝食事の場は
楽しく〟が
沖縄流おもてなし

沖縄県・島尻

沖縄家庭料理 琉球市場 やちむん

KITTE B1

沖縄料理は食材も調理法も
風土に根ざしたもの

ジリジリと肌が焼けるような太陽の下では、空の青も、木々の緑も、すべての色彩が濃く鮮やかに映る。独自の風土と文化を持つ沖縄で、「沖縄家庭料理 琉球市場 やちむん」の本店を訪ねた。那覇市の中心部から車で1時間ほどの島尻郡南風原町はえばる。「南風が吹く豊かな土地」という意味を持つこの町で、地元の人々に愛されているのが「やちむん」本店だ。

「常連さんが多いので、飽きないように、沖縄の食材を使いつつも、新しい魅力を発見できるようなメニューも提供しています」と話してくれたのは、「やちむん」の山口洋さん。取材で訪れた日の黒板メニューには、「海ぶどうとアボカドの冷製パスタ」など、創作料理も並んでいた。では地元の方々にとって、家庭料理の代表は何になるのだろう?

「私の場合は、チャンプルーです。東京で働いていた時期があって、その時に食べたくなったのが、チャンプルーでした。それぞれの家庭の味があるものなんです」

チャンプルーの中でも有名なゴーヤは、特によく食べたという。 「子どもの頃は苦手でしたけどね(笑)。沖縄では、夏になるとゴーヤやナーベラー(ヘチマ)しか市場に並ばない。葉野菜は本州から仕入れないとないんです。野菜不足解消のため、ゴーヤを盛んに食べたのかもしれません。同じように、豚肉が多いのも気候と関係していると思います。暑い島国では、疲労回復効果があるといわれる豚肉が重宝されたのでしょう」

沖縄料理の特徴は食材だけではない。その調理法も独特だ。

「人間性がのんびりしているので(笑)、料理の手間暇を惜しまないんですよね。例えば、ラフテーは一度ボイルしたものをカットして、またボイルして味を入れてなど、6~7時間かけて作ります。沖縄そばの出汁にしても、手間暇かけて煮込みます。沖縄では料理を味わうだけでなく、食事の場を楽しく過ごすことも重要なんです。料理のおいしさは、それを盛り上げる要素のひとつ。そのためなら手間をかけるのが、沖縄ならではのおもてなしですね」

夏の暑さに疲れを感じたら、KITTE店で緩やかな沖縄時間と味わいに癒やされて。

1.ゴーヤ、海ぶどう、島らっきょう、もずくと沖縄特有の食材たち。
2.今では全国区の人気となった「ゴーヤチャンプルー」。丹精込めて作った料理はそれにふさわしい器で味わってもらいたいと、KITTE店でも沖縄の陶器「やちむん」で提供。
3.本店の店内には至るところにやちむんやシーサーが飾られている。
4.やちむんの定番柄のひとつ、「魚紋線彫り」。魚は子孫繁栄を意味し、赤色は縁起がいいとされている。

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B1 SHOP PAGE

SIDE STORY

沖縄から帰ってきても、すぐにまた浸りたくなる…
人々を魅了する沖縄特有の文化や雰囲気を東京でも!

沖縄本店は看板に「海鮮うまいもん」と入っているように、魚介に力を入れている。「近くの知念漁港から新鮮な魚を仕入れ、食材に合わせた調理法で提供します。イラブチャーやアカマチなど、沖縄ならではのカラフルな魚が多いです。残念ながら東京には送れないので、KITTE店は『沖縄家庭料理』をメインに打ち出しています」と「やちむん」の山口さん。だが、KITTE店でも現地の雰囲気は十分感じられ、沖縄旅行から帰ってきたお客さんがその足で訪れることもあるそう。こだわりの器も、演出にひと役買っている。焼き物「やちむん」のぽってりとした厚みと、伸びやかな図柄、鮮やかな色彩は、沖縄の自然や人々のおおらかさと重なり合うようだ。

1. 陶器の窯元が多数点在している読谷村(よみたんそん)。なかでも緑豊かな山あいにある「やちむんの里」には多くの工房が集まっている。
2. 赤瓦と青い空のコントラストが美しい。
3. 屋根や門柱などで見かけるシーサーは、デザインもさまざま。
4. 沖縄本店の屋根にもシーサーが鎮座。店名の周囲に飾られているのも、面獅子ともいわれる壁掛けシーサー。
5. 沖縄の伝統的な酒器、やちむんの抱瓶(だちびん)。泡盛を入れ、紐を通して腰に付けるものだそう。
6. 本店は泡盛のラインナップも豊富。
7. 形や模様、色合いも異なる、個性豊かなやちむんの器。
8. クバクやビタローなど聞き慣れない名前の魚がメニューに並ぶ。
9. 全長103cmと記された巨大なクエの魚拓は、本店の常連さんのもの。釣果を店舗で調理して出すことも。