HUMAN
STORIES
美しい花が
つないでいく、
喜びのバトン
Kate Rose
KITTE 1Fその日のいい花を仕入れに
ほぼ毎朝3時に市場ヘ
東京駅側のKITTE入り口で、訪れる人々を歓迎するかのように佇む「ケイトローズ」。その統括マネージャーである高田健さんは、“花オタク”と呼びたくなるほど植物への愛にあふれていた。
「花好きだった祖母の影響もあって、小学生の頃から花の世話が好きだったんです。自分で育ててキレイな花を咲かせることに喜びを感じていました。高校生になると、海外から珍しい品種を自分で取り寄せて育てるほどにのめり込んでいましたね。当時はインターネットもありませんでしたから、専門誌で情報を集め、国際郵便を使って(笑)。その頃、花屋さんでアルバイトをしたことで、自分が作った花束で人が喜んでくれることを知ったんです。それがうれしくて、今に至っています」
育てるという自分だけの喜びから、誰かに喜んでもらうことが自分の喜びへ…。その想いは「ケイトローズ」が作るフラワーアレンジメントにもつながっている。
「スタッフには必ず『自分を押し付けてはダメ』と教えています。お客様に満足してもらうことが第一。自分がいいと思う主観で表現するのではなく、お客様が求めているものを読み取ることが大切なんです。ときには『宇宙のイメージで』など難題なリクエストをいただくこともありますが、お客様のイメージをどう具現化するかにはやりがいを感じますね」
多くの人により喜んでもらうため、花のクオリティや品種にこだわり、他店にはない珍しい品種も扱えるよう努力し続けている。
「その日いちばんいい状態の花を仕入れられるように、朝3〜4時には市場へ行きます。魚河岸じゃないですが、今日はいいネタが入ってるなぁという日は楽しくて仕方ないですね(笑)。市場の仲卸さんともできるだけ会話をして、生産者さんの話を聞いたり、情報を集めたり…。それによって、当店へ優先的に卸してくれるようになった生産者の方もいます」
高田さんにとって、その朝の3時は苦労でも何でもないと言う。
「コップ一輪の花でも、あるとないとでは全然違う。花があると、空間にも気持ちにも余裕が生まれます。それをもっと知って、花を好きになってもらいたいです」
Floral Design Kate Roseフローラルデザイン ケイトローズ
1F SHOP PAGESIDE STORY
特別なときだけじゃなく、気軽に立ち寄って
季節やトレンドを楽しんでほしい
「ファッションやメイクと同じように、花にも流行がある」と、「ケイトローズ」の統括マネージャー、高田健さんが教えてくれた。「近年はナチュラルブームの影響もあって、くすみカラーやドライフラワーが人気です。昔に比べて、エクアドルやコロンビアなどの中米から良質な花が届くようになり、個性的な植物も増えましたね。そういったトレンドを敏感に感じ取り、生産者たちも常に品種改良を続けているんですよ」。確かに昔の花屋さんとはイメージが違い、変わった形や色の花を眺めているだけでも面白い。「洋服と同じ。特に買う目的がなくても、ふらっと立ち寄ってウインドウショッピングをしていただいていいんです。季節やトレンドを感じられて楽しいですよ」。