KITTE STORIES|KITTE丸の内 | JR・丸ノ内線 東京駅に直結したショッピングセンター

HUMAN
STORIES

パナマゲイシャに
恋をして、珈琲に
人生を捧ぐ

サザコーヒー 代表取締役 鈴木太郎

サザコーヒー

KITTE 1F

作り手の想いを知ることで
コーヒーの価値観が変わる

コーヒーのために生きる――。

鈴木太郎さんがそう心に誓ったのは、今から20年前のこと。それ以前は父が茨城県で創業した喫茶店「サザコーヒー」を継ぐ意志はなく、東京の農業大学に通って農業を志していたそう。

「ところが、父が突然『コロンビアにコーヒー農園を買ったから。太郎、行ってこい』って(笑)。現地では管理人がお金をくすねていたり、ゲリラにコーヒー豆を盗まれたり……。もう大変でしたよ」

一方で、コロンビアコーヒー生産者連合会の品質管理部長・モレノ博士(現在は農園の共同運営経営者)と出会い、鈴木さんはコーヒーの奥深さに気づいていく。

「午前中はひたすら焙煎、午後は400杯くらいをカッピングする毎日。品評会にも出席する内に豆の良し悪しがわかるようになりました。『見た目のダメージが味に出ているね』『これは生育が良いね』と。ここから、最高のコーヒー豆を求めて世界中を飛び回る生活が始まりました」

そして2007年、エチオピアの村の名前に由来する「ゲイシャ品種」と運命の出会いを果たす。

「パナマのある農園がエチオピアの無名の品種を植えたら、奇跡的に上質なコーヒー豆ができて世界一の高値がついちゃった。それがパナマゲイシャです。初めて飲ませてもらったときの感想は『なにこれ!? 超うまい!』。その甘み、香りに一瞬で恋に落ちました。恋するあまり、エチオピアまでゲイシャ村を探しに行ったくらい(笑)。それ以来、最高級のパナマゲイシャを毎年買っています」

現在、KITTE店をはじめ14店舗を展開する「サザコーヒー」。さまざまな大会で入賞するバリスタたちもまた、コロンビアの農園で体験を共有しているという。

「自分の目で畑を見て、作り手の想いを知ると価値観が変わるんです。一粒も無駄にしないし、自然とコーヒーの魅力を語り始める。そうやって文化が根差すと信じています。そうそう、KITTE店ではお酒も出しています。アイルランドにはコーヒーにウイスキーを入れる文化があって――」

全身からあふれ出るコーヒー愛は止まらない。コーヒーに人生を捧げた男の一杯を、ご堪能あれ。

1. 品評会用のコーヒーがセットになった「サザカップオン・レインボー」は自宅での飲み比べにおすすめ。
2. 「世界一のカフェラテアートゼリー」はラテアートをゼリーにした画期的なメニュー。
3. 味わいの異なる世界5〜6カ国のゲイシャを入荷している。
4. 焙煎所が併設された茨城県ひたちなか市の本店。

サザコーヒーSAZA COFFEE

1F SHOP PAGE

SIDE STORY

画期的なカップオンコーヒーの飲み方に
秘められた想い――「コーヒーは自由だ!」

「コーヒー豆は農作物で、焙煎やブレンドは調理。家庭料理の味がそれぞれ違うように、コーヒーだって自由でいいんですよ」。そう言っておもむろに「サザカップオン」を開けると、ドリップフィルターの粉をすべて紙コップに移し始める鈴木さん。え、フィルターは使わない!? 「まあ落ち着いて(笑)。これは僕が考案した新しいカップオンコーヒーの飲み方。粉を紙コップに入れてお湯を注ぎ、2~3分漬け込んだ後、それを別の紙コップに注ぐときにフィルターで濾すんです。これならサイフォン要らずで浸漬式コーヒーが楽します。画期的でしょ?」。旺盛な探究心と型にとわれない発想。これからもサザコーヒーは自由に、おいしく進化していくことだろう。

1. 1969年オープン。創業の地・茨城県内に10店舗を構える。
2. コーヒー豆に均一に火が通り、仕上がりが安定しているドイツ製焙煎機。
3. 8時間かけてゆっくりと抽出される水出しアイスコーヒーの器具。
4. 風が心地よい緑豊かな本店テラス席。
5. あらゆるコーヒーゼリーを研究し、その名の通り“世界一”を目指した「世界一おいしいコーヒーゼリー」。
6. コーヒーへの探究心は衰えを知らず、鈴木さんはいまも筑波大学に通って研究中。
7. 有名なエスメラルダ農園をはじめ、すべての農園の品質を把握している。
8. 酸味、苦味、華やかさ…。味の違いがダイレクトに感じられる新しい飲み比べをぜひ。
9. 看板の「且坐喫茶(さざきっさ)」は店名の由来になった茶道の教え。買付時にアフリカで収集した民芸品はKITTE店にも飾られている。