HUMAN
STORIES
当たり前を疑う。
そこから新しい
定番が生まれる
THE SHOP
KITTE 4F「これこそは」と呼べる
「定番」は地球を救う!
「世の中の定番を新たに生み出し、これからの『THE』をつくっていく」。それが「THE」のブランドコンセプトだ。
「僕が悶々と感じていた違和感をはっきり言葉にしている!と思った」と、代表取締役の米津雄介さんは、今から9年前に初めてコンセプトを見たときの印象を語ってくれた。当時の違和感とは?
「簡単に言うと、新商品って毎年作らなきゃダメ?ということですね。僕は前職で文房具の開発に携わっていたのですが、何年もかけて開発した商品が、販売した翌年には“古い”と言われるんです。世の中に『いいね』と評価されたとしても……。お店側は新商品が売れると信じていて、他社メーカーが新商品を出したら、こっちも出さないといけない。『じゃあ色を変えよう』『ロゴを入れよう』となる……。それは進化ではないですよね。『こんなに作る必要ある?』と思うと共に、飽きられるスピードが早いなと。しかも消費者が飽きるのではなく、販売や流通側が飽きさせる状況を作っていると思っていたんです」
そこへ見せられたのが、冒頭のコンセプトだった。やがて誕生した「THE SHOP」には、「これこそは」=「THE」と呼べる定番しか置いていない。だから1ジャンルにつき商品はひとつだ。そのひとつを生み出すため、モノづくりの現場と試行錯誤を繰り返す。
「『THE CUTLERY』は、製造元の大泉物産が昔大失敗してから封印していたという技法にもう一度、挑戦してくれて実現しました。新しい定番は『なんでこうなんだろう?』という疑問から生まれることが多いのですが、一方で、『THE』だと思う他メーカーさんの商品があればそれを紹介し、作る必要のないモノは作りません。定番とは、長く使える耐久性があるだけでなく、飽きないものなんです。人がモノを買い替える理由の多くは『飽きた』ですから。それはゴミを出さないことにもつながる。つまり環境配慮も、定番の重要な要素。リサイクル素材などの使用は一社の力では大きな効果は期待できないけど、デザインで飽きさせないことは我々の得意分野ですから。“『定番』は地球を救う”んです!」
THE SHOPザ・ショップ
4F SHOP PAGESIDE STORY
モノには、世の中の想いが詰まっているから。
その過去を知ることで、大切なことが見えてくる
1ジャンルにつきひとつの「定番」を見極める――。モノにあふれた現代では、それはとても難しそうだ。「THE」ではそのために徹底的にディスカッションが行われる。「指標となる5つの要素もあります」と代表取締役の米津雄介さんが教えてくれた。5つとは、①形状②機能③素材④歴史⑤環境。意外なのが「④歴史」だ。「そのモノに歴史があるかどうかではないんです。モノが生まれた背景には必ず誰かが何かのために作ったという理由があって、時代ごとの『こういうもの欲しいよね』という想いの積み重ねで今の形になった。だから何を作るときでも、そのジャンルの歴史をとことん調べます。そして、その中で本当に大事なことは何だったっけ?を考えるんです」。